2024年、北部の工業用地の供給量は引き続き大幅に増加し、主要工業団地の入居率は83％以上に達しました。それにもかかわらず、工業用地の賃貸価格は依然として競争力のある水準を維持しており、南部と比較して約22％低い価格なっています。

工業用地の豊富な供給

2024年、北部の工業用不動産市場は引き続き著しい拡大を見せており、電子機器、繊維・アパレル、自動車などの製造業の需要に応えるため、新たに約2,000haの賃貸用地が供給されました。2024年第3四半期時点で、北部の工業団地の総面積は16,700haに上り、前年同期比で16％増となりました。

新規開発の工業団地に加え、北部には近代的なインフラと利便性の高い交通アクセスを備えた多くの主要工業団地が存在し、大手製造業および先端技術企業からの関心を集めています。代表的な工業団地として、Nam Dinh Vu工業団地、DEEP C Hai Phong工業団地、VSIP Bac Ninh工業団地、Yen Phong 2工業団地等が挙げられます。

ベトナム北部の代表的な工業団地

ベトナム建設省所管の建設経済研究所によると、北部の主要工業団地の入居率は83%以上に上っています。平均すると、レディメイド倉庫の入居率は約73%、レディメイド工場の入居率は85%を記録しており、工業用地への需要が依然として高水準を維持していることを示唆しています。

競争力のある賃貸価格の維持

供給量が増加する中、北部の工業用地の賃貸価格は依然として競争力のある水準を維持し、南部と比べて約22%低い価格となっています。2024年第4四半期末時点の調査によると、北部の平均賃貸価格は137 USD/m²/残存契約期間となっています。具体的には、北部の主要工業団地では、Viet Han拡張工業団地（Bac Giang省）が140 USD/m²/残存契約期間、Binh Xuyen工業団地（Vinh Phuc省）が約160 USD/m²/残存契約期間、Tam Duong工業団地（Vinh Phuc省）が約145 USD/m²/残存契約期間となっています。一部の工業団地では地域平均を上回る賃貸価格となっているものの、南部（175 USD/m²/残存契約期間）と比較すると、北部の工業用地の賃貸価格は依然として投資家にとって魅力的であり、投資先としての優位性を確保しています。

(出典：Cushman&Wakefield社レポート)

専門家の分析によると、北部の工業用地の賃貸価格は2025年から2027年にかけて年間4～8%の上昇が続くと予測されています。レディメイド倉庫やレディメイド工場の分野では、主要工業団地における新規プロジェクトの継続的な展開により、年間の賃料上昇率は0～4%の範囲に抑えられる見込みです。

工業用地の供給拡大と競争力のある賃貸価格により、ベトナム北部は引き続き国内外の投資家にとって魅力的な投資先としての優位性を示しています。2024年の外国直接投資（FDI）誘致において特に実績を上げている地域として、Bac Ninh省、Hai Phong市、Quang Ninh省、Ha Noi市が挙げられます。注目すべきは、半導体分野において世界の上位10社のうち7社が当該地域に進出しており、なかでもBac Ninh省にはSamsung Electronics社、Amkor Technology社、Hanmi Semiconductor社、Victory Giant社の大手4社が製造拠点を構えていることです。

（出典：ベトナム国防省傘下の第7軍区新聞、建設省公報）

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