合併プロセスを経て、ベトナムでは全国の生産と物流の中心となる、少なくとも2つの「超工業都市」が誕生する予定です。

Bac Ninh – Bac Giang：「北部の超工業都市」

2025年4月12日付の第60-NQ/TW決議によると、Bac Ninh省とBac Giang省の合併により、北部に約4,700km²の面積と360万人超の人口を持つ大規模な工業センターが形成される予定です。
Bac Giang省は、2024年に全国トップのGRDP成長率13.85%を記録し、2025年第1四半期にはさらに14.02%に達しました。同省には現在16の工業団地と55の産業クラスターがあり、2024年および2025年第1四半期に22.3億米ドルのFDIを誘致しました。

一方、Bac Ninh省は全国で最も面積の小さい省でありながら、経済規模では第9位に位置し、2024年のGRDPは232,800億ドンを超え、2025年第1四半期には9.64%の成長率を記録しました。現在、同省には12の稼働中の工業団地があり、稼働率は62%以上に達しています。

Bac NinhとBac Giangの両省は、Samsung、Foxconn、Canon、Luxshareなどの大手電子機器メーカーにとって「おなじみの投資先」です。産業発展の方向性の一致、地理的な近接性、インフラ連携の可能性を背景に、両省の合併により、北部の生産・ハイテク成長の中心地が形成されることが期待されています。現在稼働中の20以上の工業団地、発展した物流インフラ、そして次の段階に向けた拡張余地が豊富に存在しています。

TP.HCM – Binh Duong – Ba Ria-Vung Tau：「南部の超工業都市」

第60-NQ/TW決議によると、TP.HCM、Binh Duong、Ba Ria-Vung Tauの合併により、面積約6,800km²、人口1,370万人を超える「超工業都市」が誕生する予定です。

TP.HCMは以前から全国最大の経済・金融センターでしたが、現在は用地不足と港湾インフラの制約という課題に直面しています。一方、Binh Duongは全国で最大の工業団地面積を誇り、29の工業団地（総面積12,700ha超）を有し、稼働率は91%に達しています。このため、TP.HCMの生産用地不足の課題を解決する助けとなるでしょう。さらに、Ba Ria-Vung Tauは深水港群であるCai Mep – Thi Vai港と沿岸物流ネットワークを備えており、この地域がグローバルサプライチェーンにおいて高い競争力を持つ生産・輸出拠点へと発展することが期待されています。