2024年第3四半期におけるベトナムのGDP成長率は、引き続き堅調に推移し、前年同期比7.4%増を記録いたしました。特にサービス業、工業、並びに建設業分野における成長が顕著となっております。2024年通期のGDP成長率は6.8~7%程度を見込んでおります。
2024年第3四半期のGDP成長率が予想を上回る
2024年第3四半期におけるベトナムのGDPは、多くのエコノミストによる予測値を上回る堅調な成長を達成いたしました。具体的には、第3四半期の実質GDP成長率は2023年同期比7.4%増を記録いたしました。これは主にサービス業、工業、並びに建設業分野における力強い成長に牽引されたものであります。2024年の最初の9ヶ月間の実質GDP成長率は、前年同期比6.82%増を記録いたしました。
統計総局の発表によりますと、2024年第3四半期のGDP需要項目別では、最終消費支出が前年同期比7.02%増を記録し、経済成長への寄与度は59.78%となっております。総固定資本形成は前年同期比7.08%増、成長寄与度39.03%を記録いたしました。財・サービス輸出は同15.68%増、輸入は同15.84%増となり、純輸出の成長寄与度は1.19%を計上いたしました。
財・サービスの輸出入が大幅な伸長を示しております。
製造業及びサービス産業が堅調な成長を維持
2024年第3四半期において、製造業・建設部門は前年同期比9.11%の成長を記録し、GDP全体への寄与度は48.88%となっております。特に製造業部門におきましては、引き続き顕著な成長を維持し、前年同期比11.41%の伸び率を記録いたしました。これは過去6年間の同期比較において最高値をマークしております。また、サービス産業も堅調な成長基調を継続し、前年同期比7.51%の伸長、GDP寄与度は47.04%を記録いたしました。
ベトナム統計総局の Nguyen Thi Huong 局長は、2024年の最初の9ヶ月間における社会経済指標を公表いたしました。
他方、農林水産部門は比較的緩やかな成長となり、前年同期比2.58%の増加、ベトナムGDP寄与度は4.08%を計上いたしました。同部門の成長減速は、主として台風Yagiの影響に起因し、農業地域および水産業地域に甚大な被害をもたらしております。ただし、迅速な復興施策の実施により、同部門は一定水準の成長を確保し、国内経済の安定的な発展に寄与しております。
ベトナムの経済成長見通し(2024年-2035年)
2024年第3四半期において堅調な実績を示したものの、ベトナム経済は依然として多くの課題に直面しております。2024年の最初の9ヶ月間におけるコア・インフレ率は2.69%上昇、また消費者物価指数(CPI)は前年同期比3.88%の上昇を記録いたしました。これは主として原材料価格と物流コストの上昇に起因するものです。
しかしながら、2024年第4四半期並びに通年のベトナム経済の見通しは引き続き良好な状況を維持しております。世界銀行(World Bank)は、2024年のベトナム経済成長率を6.1%と予測しており、これは中国(4.8%)、マレーシア(4.9%)、インドネシア(5.0%)など近隣諸国を上回る水準となっております。さらに、S&Pグローバルは、2024-2025年のベトナムの年平均経済成長率を6.2%と予測しており、これはインド、フィリピン、インドネシア等の新興国を上回り、世界最高水準に位置付けられております。同社は、通商政策の推進および投資環境の整備により、ベトナムは2035年までに世界有数の高成長新興市場として台頭し、グローバルサプライチェーンへのさらなる深化が進展するものと予測しております。
Xem thêm: 2024年の最初の9か月間でベトナムへのFDI登録額、約250億米ドルを記録
Xem thêm: ベトナムにおける外国直接投資(FDI)企業向け最新税制優遇措置まとめ