セメント、鉄鋼、砂、石材などの建設資材は、今後も価格上昇が続くと予測されています。このことは、ベトナムでの工場建設コストを検討しているFDI投資家にとって大きな懸念材料となっています。

建設資材価格は今後も上昇が続く見通し

2024年末の建設資材価格に関する統計によると、多くの資材の価格がすでに上昇傾向にあります。セメント価格はトン当たり50,000ドンの値上げとなり、2025年の初頭において安定を保っています。しかし、2025年第3四半期には、クリンカーの輸出税、燃料価格、物流費といったコストの上昇圧力により、セメントメーカーがさらなる値上げを実施する可能性があります。現在のセメント価格はトン当たり約95万～140万ドンであり、8月には約3～5%上昇して100万～145万ドン程度になると予測されています。

建設用鉄鋼価格も大きく変動しており、現在はトン当たり約1,430万～1,450万ドンで推移しており、建設ピークシーズンによる高い需要により、8月には1,500万ドンまで上昇する可能性があります。

2025年の砂・石材価格は大幅な上昇傾向にあります。これは主に、環境保護と天然資源保全のため多くの地域で採掘が制限されていることに起因し、局所的な供給不足を引き起こし、価格を押し上げています。建設用砂および埋め立て用砂は年初から5％～15％値上がりしており、地域や種類によって1㎥あたり14万～44万ドンの範囲で推移しています。建設用石材の価格も若干上昇しており、一般的には23万～38万ドン/㎥となっています。

専門家によると、2025年第3四半期は建設資材市場が活発化する時期であり、大規模な公共投資プロジェクトの一斉着工により、供給と需要の両面から価格上昇圧力が強まると見られています。

工業施設建設コストへの影響

建設資材価格の上昇は工場建設コストに直接影響を与え、初期投資総額を増加させる可能性があります。したがって、予算への圧力を最小限に抑えるため、ベトナムでの工場建設を決定したFDI投資家は、早期に計画を立て、価格が安定しているまたは若干下落する期間を活用するために資材購入のタイミングを慎重に検討する必要があります。さらに、資材を節約するための設計の最適化、建設期間を短縮するための最新施工技術の適用、柔軟な施工計画の調整を行うことで、コスト管理をより効果的に行うことができます。