2026~2030年にかけて、ベトナムの既成工場(Ready-Built Factory: RBF)市場は、規模・品質の両面で大きな変化を遂げると予測されています。迅速な導入と初期投資の最適化という利点により、RBFは引き続きFDI(外国直接投資)企業にとって魅力的な選択肢となっています。
賃料の競争力と供給の増加

Cushman & Wakefield社のデータによると、2025年第4四半期におけるRBFの平均賃料は:
- 南部地域:約4.9 USD/m²/月(前期比でわずかに上昇)
- 北部地域:約5.0 USD/m²/月(ほぼ横ばい)
賃料は今後、北部で年間3~9%、南部で3~7%の上昇が見込まれているものの、地域の他国と比較して依然として競争力のある水準にあります。これは、政治的安定性、FTAネットワーク、インフラ品質向上、ESG対応の強化といった背景によるものです。

供給と入居率の状況
南部:2025年第4四半期時点での供給総面積は約660万m²。2026~2029年にさらに約94.4万m²が追加予定。
平均入居率:92%
Đồng Nai(ドンナイ):94%
Hồ Chí Minh市:92%
Tây Ninh(タイニン)など新興市場:90%
北部:2025年末までに供給総面積は約528万m²(前年比+22.4%)。
平均入居率:約86%
Hà Nội(ハノイ):ほぼ100%
Hưng Yên:95%
Ninh Bình:90%
Hải Phòng:87%
2026~2029年には約100万m²の新規供給が予定されるが、FDIの需要は引き続き高水準が予想されています。
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FDI企業がRBFを選ぶ理由とは?
Savills Vietnamの調査によれば、新規投資家の約62%が自社で建設するのではなく、既成工場(RBF)を選択。
南部では約70%、北部では約56%
入居率80%以上を記録するRBFプロジェクトの多くは、電子部品・基板・ハイテク製造業のFDI企業からの需要です。
RBFモデルの主な利点:
- 迅速な操業開始:煩雑な許認可や建設プロセスを回避し、数ヶ月で操業可能。市場機会を即座に活かすことができます。
- 初期投資の最適化:建設コストを抑え、設備・技術・運営資金に集中でき、特に初のベトナム進出企業にとっては大きな利点。
- 法的・建設リスクの軽減:RBFはインフラや法的手続きが整備済みのため、プロジェクト進行における不確実性を最小化できます。
- 柔軟な規模調整:市場変化に応じて生産面積の拡大・縮小が容易。長期的な固定資産への縛りを回避できます。

今後の展望
2026年以降も安定した賃料と高い入居率を背景に、RBF市場はFDI誘致の有力な選択肢として成長を続ける見通しです。迅速・柔軟・効率的な事業展開が可能なRBFは、ベトナムにおける製造拠点選びの鍵となっています。
出典:VnEconomy, Cushmanwakefield.com






