工場建設プロジェクトの進捗管理においては、過酷な気象条件、資材・労務管理、完成段階での防火対策などの要因に加え、請負業者は以下の品質管理と進捗管理の要素にも細心の注意を払わなければなりません。
敷地準備工事
敷地準備工事はプロジェクト着手時の第一段階です。主要な作業には、造成、仮設建物、電気・水道設備、現場内の仮設道路などの仮設インフラの構築が含まれ、これらは建設工事を円滑に進めるために不可欠です。敷地準備の過程では、安全かつ予定通りに完了させることが肝要であり、これにより後続の工程を速やかに開始し、計画通りの建設進捗を確実なものにします。
また、大規模プロジェクトにおいては、請負業者は投資家と緊密に連携し、契約で取り決められた通りのスケジュールで敷地の引渡しを受ける必要があります。これにより、後工程の作業が遅延することなく、プロジェクト全体の進捗に悪影響を及ぼさないよう確保します。
進捗管理とモニタリング
進捗モニタリングは、単に作業の進捗状況を追跡するだけでなく、設計変更、技術的課題、資材不足など、発生し得る問題を常に評価・予測することも含まれます。当初の計画から逸脱が見つかった場合、請負業者は速やかにその影響度を評価し、発注者と監理者の承認を得るための適切な是正策を提案し、問題の早期解決を図らなければなりません。このためには、プロジェクトの規模と特性に応じた綿密な進捗モニタリング・管理計画が請負業者には不可欠です。
プロジェクトの進捗を効果的に管理するために、請負業者はMicrosoft ExcelやMicrosoft Projectなどのプロジェクト管理ソフトウェアを活用し、作業範囲をブレークダウンすることができます。また、ガントチャートを用いて各作業パッケージの具体的なマイルストーンを詳細に追跡することも可能です。これにより、請負業者はプロジェクトの進捗状況を俯瞰的に把握しつつ、リソースの最適配分を容易に行うことができ、工期の無駄や建設コストの超過を回避できます。
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品質管理及び品質保証
建設プロジェクトの品質は、作業員の安全性のみならず、将来の工場の運用効率にも多大な影響を及ぼします。したがって、各工程における施工品質の厳格な管理は極めて重要であり、請負業者は進捗管理と並行して実施しなければなりません。
DELCOは、設計・施工のゼネコンとして、各工程の完了後直ちに検査を実施する「ローリング検収方式」という社内検収プロセスを適用しています。この方式により、技術的な不具合を早期に発見・是正することができ、投資家と合意した進捗と品質を確実に満たすことが可能となります。さらに、コンサルタントによる監理が行われるプロジェクトにおいては、DELCOは各工程の検査基準を監理者と綿密に協議し、明確化します。これにより、請負業者、発注者、監理コンサルタントを含む全ての関係者が建設品質の評価基準について合意形成できるだけでなく、検査プロセスの効率化、品質の確保、手直し要求の最小化が可能となります。
関係者間の協働
施工計画の策定段階から、投資家、請負業者、監理コンサルタントを含む関係者は、プロジェクトのモニタリングと報告に関する明確かつ具体的な計画を立案する必要があります。日次・週次・月次の進捗報告スケジュール、定例会議の日程、資材承認計画、設計変更計画、各工程の検査計画などについて合意しなければなりません。これにより、関係者が自らの責務と権限を明確に把握し、無用な誤解や対立を回避することが可能となります。
また、関係者間の緊密な連携により、資材の不足や悪天候の影響など、プロジェクトに問題が生じた場合にも、速やかに対処方針について合意を形成することが可能となります。その結果、プロジェクトは当初計画で定めた品質と進捗を維持することができるのです。
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