運用基準を満たす食品工場の設計における4つの重要要素
1. レイアウトと交差汚染の管理
食品工場の設計における核心的要件は、原材料エリア・加工中製品エリア・最終製品エリアの間での交差汚染の防止です。そのため、工場のレイアウトは一方向の動線原則を厳格に遵守し、クリーンルームと通常エリアの交差を避ける必要があります。これにより、交差汚染のリスクを減らし、原材料と製品の移動時間も最適化できます。

各エリア(原材料の受入れ、下処理、加工、包装、製品倉庫)は明確に区分されるべきです。人の移動もまた大きな交差汚染リスクであるため、更衣室、手洗い場、消毒ステーションは十分に配置され、人・物・製品の動線が極力交差しないように設計します。
複数の製品ラインや異なる衛生レベルの製品がある場合、クリーンレベルごとのゾーニングや通路・扉・室圧の制御、社内動線のルール設計も求められます。設計段階でこれらを誤ると、運用開始後の是正が非常に困難となります。
2. 食品環境に適した建材の使用
食品工場内の建材には、清掃性、耐久性、汚れや微生物の蓄積防止性が求められます。

例えば、パネル構造の天井や壁は継ぎ目が少なく、剥がれや発塵のない仕上げが必要です。床は水や洗浄剤、フォークリフトの重量に耐えられる防滑・防水性がある工業用床材が推奨され、迅速な排水のために適切な傾斜設計も不可欠です。
3. クリーンルームとHVAC(空調)による微気候の制御
食品の安全と品質に直結するのが生産環境の微気候です。そのため、食品工場では室温、湿度、気圧、粉塵レベルなどを厳格に管理するHVACシステムとクリーンルームの導入が不可欠です。
クリーンルームでは、清浄度の高いゾーンが正圧を維持し、汚れた空気の逆流を防ぐ必要があります。空気の流れ(給気・還気)、フィルターのグレード、ゾーニングの設計は、実績のある施工業者による専門的な設計が必須です。

誤ったHVAC設計は、操業自体には影響がなくても、HACCP、ISO 22000、GMP等の食品安全基準の取得や輸出要件の審査で大きな障害になります。将来的な改修コストも高額になるリスクがあります。
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4. 給排水・排水処理システムの適切な設計
食品工場では大量の水を使用するため、給水・排水・汚水処理システムに対する要求も非常に高くなります:
- 使用水は加工・洗浄用途に適した安全基準を満たす必要があります。
- 生産用水・生活用水・衛生用水は明確に分離すること。
- 排水システムは適切な勾配、排水方向、構造設計がなされており、停滞・臭気・微生物の繁殖を防ぐ必要があります。
- 食品工場の廃水は有機物、油脂、浮遊物を多く含むため、法規制に準拠した適切な処理技術の採用が求められます。
初期設計段階でこれらを正しく設計することが、法的基準の遵守、安定運用、改修コストの削減に直結します。

飲料缶製造工場「Crown Holdings」の排水処理システム。DELCOが排水処理およびイオン交換樹脂システムを施工。
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